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「指導医養成講習会」
続いて月寒クリニックの寺田豊氏に主導で「community-oriented Primary Care(COPC)を用いた地域医療の教え方(community-based medical education)」セッション。
これらについて具体的な事例をあげながら進められた。
二日目、松前町立松前病院の八木田一雄氏が「地域包括医療case study」セッションを行った。超高齢者社会、高齢者医療、高齢者介護、介護保険制度についてミニ講義(スライド120枚)が行われた。その後、該当患者とその家族の生活全般の解決すべきニーズをあげてもらい、課題を基にケアプランを作成する作業をおこなった。それを発表してもらった。
コミュニケーション技法では、家族カンファを開いて、患者の立場にたって診療した。患者・家族の意向を尊重し利他主義を実践した。
反省点として、チームとして体重減少に執着しすぎて経管栄養剤を増やしたことがよくなかったのではないかと思っている。
静脈栄養と経腸栄養について調べた。誤嚥性肺炎の発症頻度は経腸栄養と胃瘻とで差はない。上半身挙上が有効である。
消化管運動賦活剤や半固形状流動食も考えるべきであった。90歳代の患者の体重を測らないという選択肢もあったのではないか。
今後、実践の場でプロフェッショナリスムを意識してゆくことが重要と思った。
(山本和利)
「12月の三水会」
12月18日、札幌医大で、ニポポ研修医の振り返りの会が行われた。松浦武志助教が司会進行。後期研修医:1名。他:7名。
ある研修医の経験症例。30歳代肥満男性。知的障害。糖尿病。運動療法に目覚めている。通勤バスをやめて駅まで歩くことを勧める。歩くと血糖値が下がることを自覚。50歳女性。糖尿病、病院恐怖症、統合失調症。ペットが死亡しうつが増悪。72歳女性。仮面用顔貌、動作緩慢、筋固縮。パーキンソン病の治療を開始。60歳代高血圧にARB,慢性疼痛にトリプタノールを処方。60歳代男性。発熱、下肺野に浸潤影。肺炎、気管支ぜんそく。50歳代女性。溶連菌感染が職場ではやっている。溶連菌感染として対応。20歳代女性。過呼吸。パニック発作として対応。30歳代女性。激しい咳嗽。クラミジア肺炎と診断。20歳代女性。鉄欠乏性貧血。50歳代女性内服を集団後、入浴中に意識消失。てんかん。20歳代女性。関節痛。感染を契機に血小板減少:6.8万。ITP.
往診事例。70歳代女性。慢性頭痛。夫が死亡。トリプタノールを減少し、漢方薬に変更。80歳代女性。OPLLで寝たきり。ハイ便コントロール。80歳代女性。吐血後肝硬変と診断。90歳代女性。糖尿病、高血圧。排便のコントロールができない。90歳台女性。立てない。座位を保持することを心がける。
研修医から振り返り1題。
ある貧血のある80歳代患者の事例。高血圧症、認知症がある。長男夫婦と同居。逆流性食道炎があるが、薬は飲んでいない。血尿があった。もともとHb:15.5gmlがHb:6.4g/ml、ハプトグロビン293であった。便潜血陰性。診断をつけないまま、PPIと鉄剤を処方。 慢性炎症による貧血と考えた。
尿路系の悪性腫瘍の除外を試みた。膀胱鏡で異常なし。腎生検は高齢で適応なし。血液検査で血管炎は否定的。腎性貧血も否定的で、血圧コントロールに徹した。綜合内科にコンサルト。ESR:77/h。フェリチン:20-45.鉄剤内服とエリスロポエチン製剤の使用を勧められた。
コメント:慢性炎症が原因ではないのではないか。ピロリ菌感染による鉄欠乏性貧血ではないか。逆流性食道炎は原因にならないか(そこからの出血)?
クリニカル・パール:診療所に通う高齢者の貧血への対応を考えてみた。本院、家族の希望を尊重し、頻度の高い貧血を考えて負担の少ない検査から行う。
Referralに4つの形態がある。紹介。併診。無責任丸投げ。分断されたチーム医療。
家庭医が責任を持ちながら専門家に意見を求める(併診)のが大切。
今回は、高齢者の小球性貧血について議論が交わされた。(山本和利)
CBMEの3つの目標