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ニポポ代表理事ブログ---- 総合診療医を目指す皆さん、北海道の自然を満喫しながら研修をしてみませんか。
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「3月の三水会」
3月13日、札幌医大で、ニポポ研修医の振り返りの会が行われた。稲熊良仁助教が司会進行。後期研修医:1名。他:8名。今回は第三水曜日が休日のため、第二水曜日に開催。
 
ある研修医の経験症例。整形外科・形成外科で研修中。外来研修の症例について振り返り。
 
研修医から振り返り1題。
50歳男性。咽頭痛、腹痛で始まり、風邪にかかったと思っていた。その後、胸骨の裏側へと移動する背部痛になる。36.5℃、背部痛から、大動脈乖離、虚血性歯疾患を否定するため、両側の血圧を測定し、造影CTを撮影。Marfan症候群のような所見なし。解離性大動脈瘤が判明。専門医のいる病院に紹介した。
大動脈瘤について振り返った。分類。予後不良で致死率は1-2%。
 
クリニカル・パール:移動する激しい胸背部痛など大動脈乖離を疑った場合には、速やかに造影CTを行う。大動脈乖離は多彩な症状を呈する。突然発症の病歴が大切(問いかける力)。大動脈弓の乖離は、あご、頸の痛みのことがある。
 
研修終了生からの報告。
介護型療養型老人施設+クリニックの紹介。慢性期の医療。感染症治療、ターミナルケア。看取り、湿布のついでに降圧剤、風邪、点滴を希望。
困っていること:遠方の専門医からもらった薬の処方依頼、調剤薬局からの余計なアドバイス(影響力が強い)。接骨医からのレントゲン依頼。中途半端な外傷患者への固定処置。
 
認知症患者に対する抗凝固療法
80歳代男性。心房細動、慢性心不全、COPD,認知症、難聴、中肉中背。訪問診療中。ADLは部分介助。時に尿失禁。ワーファリン2.25mg/日でPT-INR;1.49-3.2
どこまで治療すべきか?
調べたこと:CHADS2 スコアが  0点なら抗凝固療法はしない。80歳以上の患者。高齢者でも転倒しないような工夫をすれば、ワーファリンは使用できる。医学的適応はあるが、社会的適応があるかどうか判断が難しい。
 
原因不明の腎不全
70歳代女性。統合失調症で服薬を続けている。高血圧の既往。最近、口内アフターがあり、バルトレックスを処方された。歩行がおかしい。Cre:6,BUN:50,UA:10, 尿所見は乏しい。電解質:正常範囲。両側腎はやや腫大。軽度のシドーシス。ESR:20/h, ANCA(-),3日間血液透析を行ったら、劇的に改善した。原因は薬剤か?
今回から、経験した症例を即、コンピュータで調べながら科学的根拠に迫り、クリニカル・ジャズをする模索を始めた。(山本和利)

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北海道の地域医療を支える総合診療医の養成を目指す後期研修プログラム「ニポポ」を支える北海道プライマリ・ケアネットワーク代表理事のブログです。
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