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ニポポ代表理事ブログ---- 総合診療医を目指す皆さん、北海道の自然を満喫しながら研修をしてみませんか。
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   721日、札幌医科大学においてニポポ・スキルアップ・セミナーが行われた。講師は旭山病院の芦沢健先生である。テーマは「オペラントとしてのうつ病」。

一体うつ病とは何なのか。「ここだけの話」として口火を切った。抑うつ気分、興味の減退、易疲労感、があると診断される。日内変動、途中覚醒、微小妄想も参考になる。

うつ病の増加について。最近、精神科医が自信を持ってよくなると言えなくなってしまった。10年間で2倍。95万人。新たなうつ病が増えている。長引く不況によって自殺者の増加があり、うつ病の増加。抗鬱薬の売上、5.3倍。手帳交付数;7.8倍。

3万人の自殺者とうつ病。警察が自殺と断定する率が増えた?(捜査をしなくてもよくなる)。

うつ病と薬物療法。10年前にNHKが「SSRIで人生が変わる」「うつは心の風邪です」と放送し、使用薬物量が急増。新薬を1つ開発するのに大変なコストがかかる。患者や医師が暗黙にうつ病を望む場合、簡単に診断できる。患者にとってうつ病の診断が、都合がよいことが多数ある、等の原因が考えられる。

「オペラント」とは、報酬により強化されることをいう。現在のうつ病は様々なオペラントが働いている。オペラントは時間経過とともに独立して強化される。

最近のうつ病には、タルコット・パーソンズのsick roleが成り立たない。医者に援助を求めること、社会的責任免除されることばかりが強調されてしまう。

不登校者がニートに、ニートが「うつ病」になっているのではないか、という印象があると。

「オペラントを減らす方向で関わることが重要である」と強調された。

人生をうまく生き抜くためには、「歩くこと、笑うこと、歌うこと」が大切ということでした。私も明日からもっと歩こう!

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 721日、札幌医科大学において三水会が
行われた。参加者は11名。

大門伸吾医師が司会進行役。合田尚之先生から苫小牧で行われたPEACE(緩和医療)セミナーの報告。事例を用いて討議し、家族の意向を聞きながら解決法を探す。地域ごとで顔の見える関係を作ることを目的としている。現実的にはネットワーク作りが難しい。それに触発されて寺田豊助教が在宅医療の「おかえりなさい」プロジェクトを紹介。

途中、卒業アルバムにための写真撮影。合田先生が差し入れくれたお菓子を食べながら討議が進む。

食道癌ターミナルの患者・家族への対応、その後(6月にも提示)。術後、家族の一人が必要以上に患者に張り付いている傾向がある。市役所から虐待疑いの連絡があり、事実確認。・・・どこまで家族の問題に介入すべきなのか。ここで寺田豊助教が家族志向のケアについて概説した。介護の背後にDVの可能性を考えることも必要。4つのキーワード:(一人は危ない。二人も危ない。第三者を登場させる。仲間を作ろう。)参加者から様々な意見が出た。

腰痛あり、骨そしょう症があり、新鮮な圧迫骨折で救急受診した80歳代女性。嫉妬・被害妄想で家族に愛想を尽かされている。家はごみ屋敷化。精神科で門前払い。市からも見放された。妄想性障害と妄想性人格障害について概説。入院後、出張の精神科医に相談。療養型施設を紹介し受諾。適切な距離を自覚して信頼関係を築くことができた。研修医から妄想疾患の診断、認知症の診断の難しさが述べられた。

病院の方が居心地よいので家よりも病院にいることが多い。外来初診ではわからないことが多くて、その都度調べている。「冷たいものを食べると腹を下すような気がする」患者。味覚障害について調べてみた。「検診で両上肢に紫斑のある高齢者」調べると「老人性紫斑」が多い。反省メモを書いて、ネットで調べて、手持ちの本、文献の順番で調べている。各自の勉強法について報告。研修医からの反省:上級医に聞くだけでは駄目で、自分自身で調べないと身に着かない。

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     76日、ニポポプログラムの研修医である齊藤暁子先生の研修状況の視察に山本和利、日光ゆかりの2名で黒松内に出かけた。札幌駅から特急に乗って約2時間で長万部駅に着き、そこからタクシーで約30分。途中パークゴルフ大会が開催されていた。ブナ林で有名な黒松内だけあって自然に恵まれた空気の美味しいところである。

午前中、先生の診察を見学しながら問題点を探った。診療録などはまだ電子化されておらず、昔ながらの紙カルテを使っている。とは言え、齊藤先生が来てから指示票などを改善することでミスの軽減に貢献したという。病院食のカレーを昼食として摂りながら齊藤先生と話し合いをし、その後事務長さんと看護師長さんに入ってもらい360度評価を行った。患者背景を考慮して行動するようになり、地元の人たちと接する中で成長したという評価をいただいた。スタッフとの話し合いを十分に持ち、在宅の看とりでチーム医療をやることができた。患者さんからの評判もよく、小児や若い患者さんの受診が増えた、等々、評判はよい。

午後は往診に連れて行ってもらった。酪農家を訪問。草の匂いがして緑の繁る中をゆく。牛の鳴き声が聞こえてくる。子牛が一頭庭先に繋がれている(親牛に押しつぶされないための保護だそうだ)。家に入り込んで見学。ところ狭しと牛の品評会の表彰状が飾られている。牛を中心に生活が回っていることが推測された。帰りの時間の関係で往診の途中で失礼する。

齊藤先生、1年間の産休に入るということですが、子育てをしながらの研修、お疲れ様でした。温かい目で見守ってくださった職員、住民の方々、ありがとうございました。

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  今回の大阪会場は初期研修医と後期研修医募集の会とが合同で企画されている。参加施設の熱気が朝から伝わってくる。当ブースへの来訪者は午前中少なかったが、最終的に7名の方に説明を聞いてもらえた。是非、北海道に見学に来て、できれば一緒に医療に携われればと願うばかりである。研修医とは別に、静岡県庁や三重県研修に関わる方から、ニポポプログラムについての説明を求められた。
  諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生が講演の合間をぬって、TVクルーを引き連れて取材に来てくれた。地域医療崩壊をせき止めるためには、総合医・家庭医の比率を増やすこととそれを政策として行う必要があることを訴えた。

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 616日、札幌医科大学において三水会が行われた。参加者は12名。

今回は若林崇雄医師が司会進行役。ユニークな疑問を投げかけて質疑応答を深めてくれた。

ある研修医は、ラポール形成が困難であった入退院を繰り返すCOPD,HOT導入中で点滴希望の70歳代男性を報告。家族カンファランスを企画し、介護サービスの利用、訪問看護を提案。ヘルパーに情報が筒抜けになってしまうので提案を拒否。3回の面談の中で週1回の診療所受診を提案。SSRIを処方し不安感を軽減させた。解決に近付けたのは、落とし所が見つけられたのが大きい。今後、継続性が問題になるという意見が出された。

入院患者・再診患者が増えて目の前の仕事をこなしていくのが精いっぱいの研修医。そんな中にあっても診療内容を記録することが大切と自覚している。初診外来を13時まで行い、その後入院患者への対応。仕事を受ける境界線を作ったり優先順位をつけたりする必要があるのではないかという意見が出た。病院全体の医療者に負担がかかり過ぎている状況で、業務改善をどうしたらよいか、悩ましい問題だ。

食道癌ターミナルの患者・家族への対応。術後、UFT内服で経過観察中、食欲不振、全身倦怠感にどう対応するか。患者に対する家族の一人の気持ちが逸り過ぎる傾向あり、癌患者の心理過程をブロックしている。この家族のケアが重要であろう。病室に行ったら患者さんと握手をしようと思っている。

高齢者のケア。認知症、III度AVブロックを抱える患者の糖尿病が悪化。薬を内服する時サイダー、甘酒を飲んでいたことが判明。糖質0のサイダーに変えたら、糖尿病のコントロールが改善した。状況を把握することと改善策を提示することの大切さを痛感。

胃癌術後で精査をせず訪問管理を受けている患者。介護者の急な入院に伴いホスピスへ入院に導くことができた。オピオイド開始して経口摂取可能となった。侵襲の少ない検査をするべきではなかったか。疼痛の評価よかっただろうか。認知障害のある高齢患者の疼痛患者の評価について報告してくれた。

終了後、8月富良野で行う予定のカンファランスのやり方について意見交換がなされた。

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プロフィール
北海道の地域医療を支える総合診療医の養成を目指す後期研修プログラム「ニポポ」を支える北海道プライマリ・ケアネットワーク代表理事のブログです。
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