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ニポポ代表理事ブログ---- 総合診療医を目指す皆さん、北海道の自然を満喫しながら研修をしてみませんか。
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 612日、ニポポプログラム関連施設である江別市立病院で行われた「川島篤志先生による教育カンファランス」に参加した。
 当日朝7時開始であったが、都合で
9時から参加した。会場は50名ほどの若い医師の熱気でムンムンしていた。7-8名1組6グループで討議が行われた。

症例提示後、患者さんの症状に合わせて、「熱と頭痛」で鑑別診断を3つ挙げる課題が出た。感冒、髄膜炎、PMR,側頭動脈炎、副鼻腔炎、脳膿瘍、歯性上顎洞炎、Still病、偽痛風(crowned dens syndrome)、などがあがった。

議論が進む中で、参考になったこと。

「赤血球円柱、蠟様円柱を見たら要注意。」

「腎臓は身体所見ではわからない。」

「過去のデータを取り寄せる。」

「関節炎はアルゴリスムがあるから簡単。分岐点を押さえる。関節穿刺をする。」

「診察では関節列隙を意識する。」

「静脈洞血栓症を意識して眼底を見る。」

「ネフローゼ患者の患者が腹痛の場合:静脈血栓症を考える。」

「小動脈がやられていると考えたら、腎、肺、神経、皮膚の4つをチェックする。」

ANASLEに関連するもので、膠原病のスクリーニングではない。」

「好酸球からみの病気はステロイド治療を開始すると組織は取れない」

その後、感染症疾患の実際と銘打って呼吸器疾患9例を提示。肺結核を中心に講演。

肺結核のリスク。ニューキノロンは結核をマスクする。疑ったら動く。粟粒像を見たら粟粒結核、癌を疑い、隔離、胃液培養、肝生検等を考慮する。非定形抗酸菌症を提示。ニューキノロンを安易に使わない。

休憩を挟んで「症例プレゼンテーションのコツ」を伝授。プレゼンテーション・フォーマットを話す側と聞く側で統一させる。プレゼンテーションは臨床能力を反映する。上手なプロファイルでイメージを持ってもらう、等教えてもらった。

最後は身体診察の小テストを受けた。頭の先から爪先まで、質疑応答を繰り返し2時間以上の講義であったが、大変役にたつものであり、身体診察の大切さが身にしみた。もっと勉強しなければと痛感した。川島篤志先生、ありがとうございました。お疲れ様でした。

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  613日、東京のビックサイトで開催された後期研修説明会に参加した。ニポポからは山本和利、大門伸吾医師、日光ゆかりさんが参加。

 

本年度は、北海道庁もはじめて参加し入り口付近に北海道地域の施設をまとめてくれるという配慮がなされていた。

生まれて初めて、ティッシュ配りをしながら呼び込みをした。お陰で7名の研修医の方々に説明を聞いてもらうことができた。
 
全体的には東京の有名病院のブースに人気が集まり、北海道や東北は人通りも疎らであった。研修医獲得に向けて頑張ってゆきたい
 

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 519日、札幌医科大学において三水会が行われた。参加者は12名。

今回は大門伸吾医師が司会進行。ある研修医は、家庭医研修の一環としての研究プランを発表した。病院への受療行動を質的に研究したい。地域診断をして、ヘルス・プロモーションを行い、受診率を上げたい。中高生への健康教育を行うことでその親である3555歳の住民にアプローチし、なぜ地元の市立病院を受診しないのかを、教職員への教育、PTAへの講演、生徒への教育を介して、情報収集したいと。デルファイ法を用いた各年代にかかわる人たちを抽出し自由に意見を書いてもらう方法も考えている。どのようにしてアンケートをとるかなど問題点が浮き彫りになってきた。

別の研修医が、脳梗塞、パーキンソン病で経口摂取ができなくなった高齢女性の事例を報告した。胃瘻を増設せずCVポート埋め込みをしたが、今後どのようにしたらよいか。これまでに自宅で老人が食べられなくて死んでゆく場面に出会ったことがない。自宅で介護ができないと病院に置いてもらい、病院の方針に家族は従うしかないということもあるのか。様々な意見が出た。

肝障害、肺線維症を抱える50歳代女性。医師の伝える病名に納得せず、説明に苦慮する事例。呼吸苦、不眠。過去に家庭内に不幸な事故があった。不信感を一度もたれてしまった患者にどのようにしたらよいのか。

総合内科の仕事には波がある。全科救急当直の報告。頭部外傷での教訓:「画像より先に止血をしなさい」。肘内障や痛風発作患者を経験。胸が締め付けられる50歳代男性。AMIを疑ったが最終的に大動脈解離と診断された。一段落したところで寿司を食べながら個々の事例を発表し合う。

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自殺企図ケースのトリアージ

 

 519日、札幌医科大学においてニポポ・スキルアップ・セミナーが行われた。講師は勤医協中央病院の田村修先生である。「自殺企図ケースのトリアージ」。年間3万人の自殺者があり、自殺の動機は健康問題、経済問題が多い。4つの類型にすると、1)精神病状態による自殺(幻覚妄想から逃れるため)、2)うつによる自殺(悲観的思考に支配され遂行)、3)衝動的な自殺(一番多い、急激な葛藤、酩酊状態、パラ自殺)、4)倫理・哲学的な自殺(安楽死、自殺幇助)、となる。

患者を診たとき、身体的評価(身元の確認、自殺手段の確認、ヴァイタルサイン、外傷状況の評価、意識・見当識の確認)、精神医学的をする。治療をする際には、誤嚥性肺炎、低体温、横紋筋融会解症を念頭に置くべきである。あまり胃洗浄は行われないが、炭酸リチウムは活性炭に吸着しにくいので胃洗浄をする。強制利尿はしない。輸液量は脱水の予防・補正程度で十分である。三環系抗鬱薬中毒にメイロンがよい。

治療への抵抗が強い場合は、精神科への移送、sedation、家族が来るのを待つ。

再自殺リスクの評価が重要である(自殺企図であることの確認、動機の確認、今回の行動に対する患者の評価)

患者を診察する際にはTALKの原則に則って行う。 Tell(話しかける), Ask(自殺の確認), Listen(傾聴), Keep safe(安全の確保)。

ここで飛び降り自殺事例による実習を行った。「死のうと思って飛び降りた」と語った患者にどう応答するか。「死のうと思って飛び降りた」を医師が復唱して確認すること。語らない患者の場合、誘導して自殺であることを確認する。拒絶的な態度の場合には希死年慮が持続しており再自殺率が高い。その場合、速やかに家族に面会してもらう。ころころ言うことが変わる場合も要注意。

パラ自殺:明確な自殺目的ではなく繰り返される自傷行為の総称。粛々と対応。かかりつけ医に手紙を持たせる。

自殺の再発防止のため、死なない約束をする。フレーズ「死にたいくらい辛かったのだ。辛いからといって死なないでください」「あなたの命が生きることを選んだのですよ」。言葉を選ぶ緊張が会場に張り詰める。祈るような気持ちで言えることが大切である。自分の感情に焦点を当てる。患者と適度な距離を保って考える。チームで考える。患者の運に差し戻して祈る。ひとつひとつの言葉の重さを実感する講義であった。

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 514日、富良野協会病院で総合内科の外来と病棟の指導に出向いた。院長から北海道プライマリ・ケアネットワークから来ている医師のお陰で入院患者が20名増えたと感謝の言葉をいただいた。外来指導は研修医2名と札幌医大の学生1名の計3名に行った。学生さんには頭痛を主訴にする30歳代女性と咳が続くところに4歳の娘に胸を蹴られた後前胸部痛が続くという30歳代女性が当たった。OSCE終了後だけあって、申し分のない態度で医療面接ができていた。

 午後は入院患者のカンファランスに参加した(6名参加)。糖尿病コントロール不良の90歳代男性。インスリン製剤の使い分け、内服薬との併用の仕方、自己血糖測定の結果を治療法に反映させる方法などを助言した。もう一例。吐血、意識低下、痙攣発作の男性について相談を受けた。精査してもはっきりとした原因が不明であるとことであったが、CPKが明らかに上昇していること、問診・身体診察上転換障害などは考えにくいことなどから、薬剤による痙攣と判断し、かかりつけ医に薬を調節してもらうよう助言した。

 若い医師たちと臨床の問題をディスカッションするのは楽しい!


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北海道の地域医療を支える総合診療医の養成を目指す後期研修プログラム「ニポポ」を支える北海道プライマリ・ケアネットワーク代表理事のブログです。
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