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ニポポ代表理事ブログ---- 総合診療医を目指す皆さん、北海道の自然を満喫しながら研修をしてみませんか。
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「五感の大切さ」
 
健康でいると、嫌な臭い、うるさい音、しょっぱすぎる味など、不快なコトの方を意識することが多い。忙しい日常ではあまりその大切さを感じる余裕がないのかも知れない。しかしながら、それを失うとその不自由さに目覚めることだろう。
 
そんな感覚の大切さを訴える映画『パーフェクト・センス』(デヴィド・マッケンジー監督:英国 2011年)を紹介したい。
 
突然、嗅覚が消失する人が出始める。嗅覚喪失症候群(SOS).原因は何なのか?終末の前兆なのか?石鹸が原因といううわさも。「資本主義が世界支配のため、ウイルスをまいた」「遺伝子組み換え作物」等々。
男性主人公はシェフ。女性主人公は医師(感染症学者)。女性主人公の嗅覚が消える。料理店に客足が途絶える。鼻が詰まった人向け料理が考案される。辛みは塩気が強い料理ばかりになる。嗅覚と一緒に思い出が失われる。嗅覚は思い出に結びついていることを思い出させる。
人々を不安に駆りたてパニックに陥ってゆく。そして手当たり次第に食べ始め、飲み始める。世界から味覚が消える。料理の材料は油と小麦だけでよいのか。数週間経つとそれに慣れ、他の感覚が鋭くなる。
時が経ち、世界中の人々に聴覚障害が起こる。潜伏期が短くなってゆく。男性主人公も聴覚が侵され、狂気に陥ってゆく。マスクを付けている人が目立つ。防御服の人々。感染者に自宅待機が命じられる。そして孤独に耐える中でパックに入ったパスタが非常食として届けられる。女性主人公の聴覚が失われると、映画から音声が消える。荒廃した街、ゴミの散乱する職場。3c8c1ab4.jpeg

パニックはそう長くは続かない。気を取り戻した主人公は筆談でコミュニケーションを図る。会話は手話にとって代わる。音楽は触覚で感じようとする。人々は触れ合いによって、誰かに温もりを与える。やがて暗闇が訪れる。
 
生きることの中での感覚の大切さを痛感させる。現在社会のあり方を問いかけている。哲学的な映画である。あなたは春の匂いを何で感知しますか?
 

 

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