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ニポポ代表理事ブログ---- 総合診療医を目指す皆さん、北海道の自然を満喫しながら研修をしてみませんか。
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「入院患者の血糖値はどの程度が適当か」
 
「入院患者の血糖値はどの程度が適当か」について勉強してみた。
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最近の研究では、入院患者の38%に高血糖が起こる。ランダム化臨床試験で、強化インスリン療法をしても死亡率は減らさない。逆に重篤な低血糖が増加する、と言われている。
 
•       Kansagara D, et al. intensive insulin therapy in hospitalized patients: a systematic review. Ann Intern Med;2011154:268-82
では、31のランダム化臨床試験を分析している。
–      ICUで強化インスリン療法をして患者の利益があるか?
–      不利益があるとしたらどういうものか?          
 
プライリマリ・アウトカムとして1ヶ月以内の死亡率と入院率を検討している。
セコンダリー・アウトカムとして3ヶ月以内の死亡率、感染率、入院日数、低血糖をみている。

•       結果
–      有意差はなかった。RR:1.0(95%CI:0.94-1.07)
–      21%で敗血症が減った。RR:0.79(95%CI:0.62-1.00)
(研究により差がある)
–      重篤な低血糖が6倍増えた、
 

この研究から得られることとして、雑誌EBMのEbenezer Nyenweは次のようにコメントしている。
•       入院患者の目標血糖値を80-110mg/dlに設定するのは低すぎる。
•       目標値は140-180mg/dlがよい。
•       (入院患者ではMetforminの安易な使用も慎むよう警告している)
 

入院患者に関しては、血糖値を低くし過ぎないことが最近の動向のようだ。
 

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