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6月12日、江別市立病院で行われた「長崎大学感染症内科の土橋佳子先生による呼吸器内科に強くなるカンファランス」に参加した。18時から参加した。はじめに参加者の自己紹介から始まった。院外から私を含めて3名が参加した。年寄りは私と江別市立総合病院の梶井院長。
2つのチームに分かれて内容を披露し合う形式。参加型ディスカッションである。
2つのチームに分かれて内容を披露し合う形式。参加型ディスカッションである。
症例
胃がんによる胃全摘出、結核による胸郭形成術の既往のある70歳代男性。12kgの体重減少。微熱と右顔面・両下肢の腫脹を主訴に紹介となった。
鑑別診断:「結核、悪性腫瘍、肝硬変、腎不全、膠原病、上大静脈症候群、蜂ヶ識炎、糖尿病」等が挙がった。
現病歴:4か月前から右顔面・両下肢の腫脹。その後、咳、微熱。12kgの体重減少。
既往歴:狭心症、甲状腺機能低下症(チラジン内服中)。喫煙20本/日。陰性所見を沢山挙げて、その情報から疾患を除外することを強調していた。
鑑別診断ランキング:①悪性腫瘍(悪性中皮腫、悪性リンパ腫、上大静脈症候群)、②結核、③膠原病となった。
身体所見:右肺野で呼吸音低下、fine crackleあり。遠位優位な筋委縮あり。ガワーズ兆候あり。温痛覚低下。
60分経ってもまだ胸部XPが出てこない。1例に90分以上かけて行うカンファランスに企画者の根性を感じる。
前医からの情報。胸部CT;右中肺野・下肺野の胸膜肥厚・石灰化。腹部CT:転移所見なし。GF:R-Y吻合。
ここでプロブレム・リスト作成し、それからアセスメントをした。
① 結核の脊椎浸潤
② 悪性中皮腫
③ 血管炎
ここで検査計画を立てる。
勉強会はまだまだ続く。
終了後は懇親会も用意されている。
このようにして総合医としての実力を若い医師たちが養っている。心強い限りである。
大変勉強になるので、学生や研修医には是非参加していただきたい。
最終診断は「肺結核」であった。(山本和利)
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プロフィール
北海道の地域医療を支える総合診療医の養成を目指す後期研修プログラム「ニポポ」を支える北海道プライマリ・ケアネットワーク代表理事のブログです。
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